防じんマスクと防毒マスクについて
                  新通達が出されました
   通達の主な変更点
 
 防じんマスクの選択、使用等について
 防毒マスクの選択、使用等について    共通・・・・


   
今回の新通達では冒頭で、「事業者が留意する事項」が新しい項目として掲げられています。
   同項目中の「全体的な留意事項」(新項目)では主に、保護具着用管理責任者の指名が必要であ
   ること、また、装着方法や密着性の確認方法についての教育や訓練等を行うことなどが示され
   ています。従来の通達においてもうたわれている内容ですが、冒頭で新しい項目として示すことに
   よって更なる徹底が求められています。

 
 防じんマスクの選択、使用等について・・・

   ・ 作業に適した防じんマスクを適切な区分の中から選ぶこと。
     金属ヒュームが区分2に該当
   ・ 接顔部の密着性が要求される有害性の高い粉じんの場合は、取替え式の防じんマスクを選ぶこと。
   ・ しめひもは後頭部において固定させなければならないこと。
    使い捨て式防じんマスク等でみられる耳かけ式は使用できないこと。
   ・ 「顔面への密着性の確認」が、はっきりと項目として示されました。


 防じんマスクの選択、使用等について・・・

   ・ 防じん機能を有する防毒マスクの吸収缶を使用しなければならない環境での選択に当たって、
     その粉じんについての有害性等から、適切な区分(防じんマスクの区分を参照する)に該当
    する防じん機能を有する吸収缶から選ぶ必要があること。
   ・ 2種類以上の有害物質が混在する場合、しれぞれに合格している吸収缶を選ぶ。
   ・ 吸収缶は保存期限を越えないこと。
   ・ 臭気等を感知した時点を使用限度時時間の到来とすることは可能な物質の例から硫化水素が
    外れました。
   ・ しめひもは後頭部において固定させなければならないこと。
   ・ 「顔面への密着性の確認」が、はっきりと項目として示されました。
   ・ 一度使用した吸収缶を保管すると、脱着等により破過時間が著しく短くなる場合があるので
    注意すること。
  基発第0207006号  平成17年2月7日
          「防じんマスクの選択、使用等について」
   「防じんマスクの選択、使用等について」の概要(通達より主な内容を要約したものです。)

 <全体的な留意事項>
 □作業場ごとに防じんマスクを管理する保護具着用管理責任者を指名し、必要な指導や保守管理に当たらせること。
 □作業に適した防じんマスクを選択し、着用する労働者に対し、適正な装着方法、使用方法及び顔面と面体との密着性の
   確認方法について十分な教育を訓練すること。


■防じんマスクの選択に当たっての留意事項
 ○型式検定合格品であることを確認し、粉じん作業の種類及び作業内容に応じ、防じんマスクの規格第1条第3項に定める
  性能を有するもの(取替え式防じんマスクの場合はRS1, RS2, RS3, RL1, RL2 及びRL3 に、使い捨て式防じんマスク
  にあってはDS1, DS2, DS3, DL1, DL2, 及びDL3, に区分するもの)であること。
 ○性能が記載されている取扱説明書などを参考に、それぞれの作業に適した防じんマスクをえらぶこと。
  ・作業環境中の有害物質の発生状況やばく露の危険性等を考慮して高濃度ばく露のおそれのあるときは粉じん捕集効率
   の高く、かつ、排気弁の動的漏れ率の低いものを選ぶ。
  ・マスクの面体の高い密着性が要求される有害性の高い物質を扱う作業の場合は取替え式の防じんマスクを選ぶ。
 ○ろ過材の使用時間は粉じん等の種類や粒径、発散状況及び濃度により異なる。
  ・吸気抵抗値がたかいものほど早く目詰まって息苦しくなるため、有効に使用できる時間は短くなる。
  ・一般に粉じん等を捕集するに従って吸気抵抗が高くなるが、オイルミスト等の捕集により、粒子捕集効率が低下する場合
   があるので、吸気抵抗の上昇のみを使用限度時間の判断基準にしない。
 ○防じんマスクの顔面への密着性の確認
  粒子捕集効率の高い防じんマスクであっても、着用者の顔面と防じんマスクの面体との密着が十分でなく漏れがあると、
  粉じんの吸入を防ぐ効果が低下するため、以下の方法又はこれと同等以上の方法により密着性の良否を確認させること。
  作業時と同じように保護具類を正しく装着した状態で確認を行う。
   取替え式防じんマスクの場合 陰圧法/陽圧法
   使い捨て式防じんマスクの場合 取扱説明書に記載の漏れ率のデーターにより装着者に合ったものを選ぶこと。


■防じんマスクの使用に当たっての留意事項
 ○防じんマスクは酸素濃度18%未満の場所、または、有害なガスが存在する場所では使用してはならない。
 ○着用する前には各部の状態や取り付けが正しいことを、必ず点検を行わせること。また、予備の防じんマスク、ろ過材を用意
  していること。
 ○適切な接顔部の位置やしめひもの装着方法を適切にさせること。しめひもは耳にかけず後頭部において固定させること。
 ○着用後、空気の漏れ込みがないことをフィットチェッカー等を用いて確認させること。
 ○次のような防じんマスクの着用は行ってはいけない。
  ・タオル等を当てた上から防じんマスクを使用すること。
  ・接顔部に接顔メリヤス等を使用すると。ただし、防じんマスクの着用により皮膚に湿しん等を起こすおそれのある場合で
   かつ、密着性が良好である時はこの限りではない。
  ・着用者のひげ、もみあげ、前髪等が接顔部に入り込んだり、排気弁の作動を妨害するような状態で使用すること。
 ○防じんマスクの使用中に息苦しさを感じた場合には、ろ過材を交換すること。使い捨て式マスクの場合、使用限度時間内
  であっても、息苦しさを感じたり、著しい型くずれを生じた場合には廃棄すること。

■防じんマスクの保守管理上の留意事項
 ○予備の防じんマスク、ろ過材、その他交換部品を常時備え付け、適時交換して使用できるようにする。
 ○使用後は粉じんや湿気の少ない場所で、各部品の固定不良や破損等の状況を点検し、手入れを行うこと。取扱説明書に
  特別な手入れ方法が記載されている場合は、その方法に従うこと。
  ・ひ素、クロム等の有害性が高い粉じん等に対して使用したろ過材については、1回使用ごとに廃棄すること。
  ・水洗いが可能な旨記載のあるもの以外のろ過材は水洗いしてはならない。一度使用したろ過材を手入れして再使用(水
   洗いをして再使用することを含む)する場合、新品時より粒子捕集効率が低下していないこと及び吸気抵抗が上昇してい
   ないことを確認して使用すること。
 ○次のいずれかの場合には、防じんマスクの部品を交換、又は防じんマスクを廃棄すること。
  ・ろ過材については破損した場合、穴があいた場合又は著しい変形を生じた場合。
  ・吸気弁、面体、排気弁等については破損した場合、き烈若しくは著しい変形を生じた場合又は粘着性が認められた場合。
  ・しめひもについては破損した場合、弾性が失われた場合又は伸縮不良の状態が認められた場合。
  ・使い捨て防じんマスクについては、私用限度時間に達した場合又は使用限度時間以外ないであっても、作業に支障をきたす
   ような息苦しさを感じたり、著しい型くずれを生じた場合。
 ○点検後は直射日光の当たらない湿気の少ない清潔な場所に専用の保管場所を設け、管理状況が容易に確認できるように
  すること。保管に当たっては、積み重ね、折り曲げ等による破損等の異常を生じないようにすること。
 ○使用済みのろ過材及び使い捨て防じんマスクは、付着した粉じん等が再飛散しないように容器又は詰めた状態で廃棄すること。

  基発第0207007号  平成17年2月7日
          「防毒マスクの選択、使用等について」
   「防じんマスクの選択、使用等について」の概要(通達より主な内容を要約したものです。)

 <全体的な留意事項>
 □作業場ごとに防毒マスクを管理する保護具着用管理責任者を指名し、必要な指導や保守管理に当たらせること。
 □作業に適した防毒マスクを選択し、着用する労働者に対し、適正な装着方法、使用方法及び顔面と面体との密着性の
   確認方法について十分な教育を訓練すること。

■防毒マスクの選択に当たっての留意事項 
 ○吸収缶(ハロゲンガス用、有機ガス用、一酸化炭素用、アンモニア用、及び亜硫酸ガス用のものに限る)及び面体ごとに、
  それぞれが型式検定合格品であることを確認し、作業ないように適した防毒マスクを選ぶこと。
 ○取扱説明書などを参考に、それぞれの作業に適したb号毒マスクを選ぶこと。
  ・作業環境中の有害物質の発生状況やばく露の危険性の程度に応じて面体及び吸収缶の種類を選ぶこと。その際、以下
   の事項について留意すること。
  ・有害物質の発生状況やばく露の危険性の程度を着用者に理解させること。
  ・社業環境中の有害物質の濃度に対して十分な余裕のあるものを選ぶこと。
  ・有機ガス用防毒マスクの吸収缶は、有機ガスの種類により試験ガスと異なる破過時間を示す場合があること。(特にメタ
   ノ−ル、ジクロルメタン、二酸化炭素、アセトン等については著しく短くなる)
  ・使用する環境の温度又は湿度によって、吸収缶の破過時間が短くなる場合があること。
  ・吸収缶の破過時間の推定が必要な際には当該吸収缶の製造者等に照会すること。
  ・ガス又は蒸気状の有害物質が粉じん等と混在している作業環境中では粉じん等を捕集する防じん機能をゆうする防毒
   マスクを選択すること。
  ・防じん機能を有する防毒マスクの吸収缶は、作業環境中の粉じん等の発生状況やばく露の危険性の程度を考慮した上
   で適切なのもを区分の中から選ぶこと。
  ・二種類以上の有害物質が混在する作業環境中で防毒マスクを使用する場合は、混在する二種類についてそれぞれに合
   格した吸収缶を選定すること。この場合の吸収缶の破過時間については、当該吸収缶の製造者等に照会すること。
 ○防毒マスクの顔面への密着性の確認
  着用者の顔面と防毒マスクの面体との密着が十分でなくもれがあると、有害物質の吸入を防ぐ効果が低下するため、陰圧
  法又は陽圧法による密着性の良否を確認させること。作業時と同じように保護具類を正しく装着した状態で確認を行うこと。

■防毒マスクの使用に当たっての留意事項
 ○防毒マスクは酸素濃度18%未満の場所では使用してはならない。
 ○防毒マスクを着用してのさぎょうは、通常より呼吸系等に負担がかかることから、呼吸系等に疾患のあるものについては、
  防毒マスクを着用しての作業が適当であるか否かについて産業医等に確認すること。
 ○着用する前には、各部の状態や取り付けが正しいことを、必ず点検を行わせること。また予備の防毒マスク、吸収缶を用
  意していること。未使用の吸収缶にあっては、製造者が指定する保存期限を越えていないこと。また、包装が破損せずに
  機密性が保たれていること。
 ○防毒マスクの使用時間について、当該防毒マスクの取扱説明者及び破過曲線図、製造者等への照会結果等に基づいて
  有害物質のもう度や環境温度及び湿度等の状況に対して余裕のある使用限度時間をあらかじめ設定すること。吸収缶に
  添付されている使用時間記録カードには、使用した時間を必ず記入し、使用時間を超えて使用させないこと。
 ○防毒マスク使用中に有害物質の臭気等を感知した場合は、直ちに着用状態の確認を行わせ、必要に応じて吸収缶を交換
  させること。
 ○一度使用した吸収缶は、十分な除毒能力の残存が確認できるもののみ再使用することができる。ただし、メタノール、二硫化
  炭素等、破過時間が試験ガスよりも著しく短い有害物質にたいして使用した吸収缶は再使用させないこと。
 ○適切な接顔部の位置やしめひもの装着方法を適切にさせること。しめひもは耳にかけず後頭部において固定させること。
 ○着用後、空気の漏れ込みがないことをフィットチェッカー等を用いて確認させること。
 ○次のような防毒マスクの着用は行ってはいけない。
  ・タオル等を当てた上から防毒マスクを使用すること。
  ・接顔部に接顔メリヤス等を使用すること。
  ・着用者のひげ、もみあげ、前髪等が接顔部に入り込んだり、排気弁の作動を妨害するような状態で使用すること。
 ○防じんマスクの使用が義務付けられている業務において防毒マスクの使用が必要な場合には、防じん機能を有する防毒
  マスクを使用させること。吹きつけ作業等のように、防じんマスクの使用義務のない業務であっても、有機溶剤の蒸気と
  塗料の粒子等が混在する環境の場合は、同様に、防じん機能を有する防毒マスクを使用させること。

■防毒マスクの保守管理上の留意事項
 ○予備の防毒マスク、吸収缶、その他の交換部品を常時備え付け、適時交換して使用できるようにする。
 ○使用後は有害物質や湿気の少ない場所で、各部品の固定不良や破損等の状況を点検し、手入れを行うこと。取扱説明書
  に特別な手入れ方法が記載されている場合は、その方法に従うこと。吸収缶については、充填材の吸湿、又は乾燥等によ
  り能力が低下するものが多いため、使用直前まで開封しないこと。
 ○次のいずれかの場合は、防毒マスクの部品を交換、又は防毒マスクを廃棄すること。
  ・吸収缶については破損若しくは著しい変形が認められた場合、あらかじめ設定した使用限度時間に達した場合。など
 ○点検後は直射日光の当たらない湿気の少ない清潔な場所に専用の保管場所を設け、管理状況が容易に確認できるよう
  にすること。保管に当たっては、積み重ね、折り曲げ等による破損等の異常を生じないようにすること。
  なお、一度使用した吸収缶を保管すること、一度吸着された有害物質が脱着すること等により、破過時間が破過曲線より
  推定した時間より著しく短くなる場合があるので注意すること。
 ○使用済みの吸収缶の廃棄にあたっては、吸収剤に付着した有害物質が遊離し、又は吸収剤が飛散しないように容器又は
  袋に詰めた状態で廃棄すること。